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養老の滝 孝子伝説
昔、元正天皇の頃、養老の山の麓に源丞内という貧しい樵(きこり)が住んでいました。
朝な夕な山道を上り下りして薪を採り、一生懸命年老いた父親を養っていましたが、その日その日を食べていくことに追われて、老父の好きなお酒までは十分求めることは出来ませんでした。 ある日、いつものおうに山に働きに出て、岩根を伝う滝の水を眺め、「ああ、あの水が酒であったらなぁ・・・」と思った時、苔むした岩の上で誤って足を滑らせてしまいました。と、その時、どこからともなく酒の香りが漂ってきました。不思議に思い、辺りを見回すと、近くの石の間の泉から山吹色の水が湧き出ているのが見つかりました。いぶかりながら見ると、これは不思議、芳香を放つ本物のお酒だったのです。 はじめは夢かと思った源丞内も、大喜びで「あら、ありがたや、天から授かったこの酒」と瓢(ひさご)に汲んで帰り、老父に飲ませました。半信半疑の父は、一口飲んでは驚き、二口飲んで額を叩き、三口飲んでは手を打って大喜びしました。親子の「おめでたい、おめでたいことだ」と喜び笑い合う声は村中の評判となり、やがては遠く奈良の都まで知れ渡りました。 元正天皇は滝の水をご覧になるため、わざわざこの地に行幸され、これは源丞内の感心な孝行の行いを天地の神がお褒めになったのだとおっしゃいました。
そしてその水をお持ち帰りになり、都の人々にも飲ませられて、このめでたい年を記念して、年号を「養老」と改められたのです。 これは今からおよそ1300年近く昔のお話です。この霊泉には孝子源丞内の徳を讃えるかのように今なおこんこんと清涼な水が湧き続けているのです。
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